現在、私たちは化学物質まみれの生活を送っています。工業化が進んだ現代社会では、我々の口に入る食べ物から飲み水、そして空気や土壌に至るまで、身の回りに有害なミネラル(重金属)や環境汚染化学物質が氾濫しています。
しかし、排泄する以上に「生体異物」を体内に取り込んでいる場合や解毒・排泄能力が低下している場合、PhaseTとPhaseUのバランスが崩れている場合など、「生体異物」が正常に排泄されないどころか、かえって毒性の強い中間代謝産物が体内で発生したり、有害な「生体異物」が血中を循環し全身に毒性物質をばらまくことで様々な健康被害をもたらすことが明らかになってきています。
デトックスプログラムでは、詳細な問診や毛髪ミネラル検査、有機酸検査、栄養分析血液検査などによって、有害ミネラルの蓄積状態やミネラルバランスの乱れ、体内の代謝状態や腸内環境の悪化など、「生体異物」による悪影響をチェックします。
その結果から、解毒代謝の正常化のために、抗酸化サポートや栄養サポートなど、それぞれのPhaseに適切なサポートを行っていきます。また、解毒代謝の正常化には腸内環境の改善や栄養素の補充が必須となるため、腸内環境改善プログラムおよび栄養素補充プログラムを併用して治療にあたります。
生体異物
有害ミネラル
代謝性解毒
「生体異物」はヒトにとってはある意味“毒”であり、ヒトの体内に入ると防御反応として代謝によってそれらを無毒化し体外に排泄します。これをMetabolic Detoxification(代謝性解毒)と言います。一般的に、"detox デトックス"とは"detoxification 解毒"の短縮形で、体内から有害な物質を排出することを言います。
「生体異物」は主に脂溶性のものが多く、消化管から取り込まれると門脈を通って肝臓に移行します。
そこでPhaseT(第1段階)→PhaseU(第2段階)の2段階の反応を経て極性を増し、水に溶けやすい形となります。PhaseV(第3段階)ではそれらが血中や胆汁中に移行して腎臓や消化管に運ばれ、尿や便と一緒に排泄されます。
PhaseTでは、肝臓に移行した「生体異物」が、主にシトクロムP450(CYP)と呼ばれる酵素群の酸化反応(一部、還元反応や加水分解)によって極性が増加(有極化)し中間代謝産物に変化します。
PhaseUでは、その中間代謝産物が抱合反応によってグルクロン酸、グリシン、グルタチオン、硫酸その他と抱合体をつくり、水に溶ける形となります。
PhaseVでは、水様性の抱合体が血中や胆汁中に移行し、腎臓や消化管に運ばれて、尿や便と一緒に排泄されます。
例えば、ベンゼン→フェノール→グルクロン酸抱合体→主に血中へ移行→腎臓へ輸送→尿で排泄という流れで代謝が進みます。
健全なMetabolicDetoxification(代謝性解毒)の機能を保つには、それぞれのPhaseに適切なサポートが必要となります。PhaseTとPhaseUのバランスが崩れると「生体異物」が正常に排泄されず、毒性の強い中間代謝産物が体内で発生してしまいます。
例えばベンゾピレンなどの発がん物質はCYPによる加水分解によって発がん性が生じます。また、ダイエットによる絶食や飢餓状態では PhaseTの反応が活性化しており、脂肪組織などに蓄積していた有害な「生体異物」が血中に放出され、毒性物質が全身を循環してしまいます。
本来、これら解毒機能が正常であれば、ヒトは生体異物を代謝により体外に排泄することが出来ますが、排泄する以上に身体に取り込まれた場合や解毒・排泄能力が低下している場合、有害な「生体異物」が体内に蓄積し様々な健康被害をもたらすことが明らかになってきています。
いくら食事に気を使い、栄養素を補っても、また、腸内環境を整えても、これら「生体異物」の解毒・排泄がうまくいかず体内に過剰に蓄積していると症状・疾患は改善されないことが多いです。